「自分のための新しいウェルビーイングを見つける学び ~教育ジャーナリスト中曽根陽子がフィンランドの生活文化専門家と探求型教育と子育てについてとことん語る~」を開催しました

マザークエストでは、2021年2月20日に
「自分のための新しいウェルビーイングを見つける学び ~教育ジャーナリスト中曽根陽子がフィンランドの生活文化専門家と探求型教育と子育てについてとことん語る~」
を開催いたしました。
フィンランド オウル市教育文化サービス部門に勤務し、フィンランドの教育を世界に発信しているモニカ・ルーッコネンさんをお迎えして、フィンランドと東京をライブでつなぐトークセッション。
たくさんの方にご参加いただきまして、フィンランドの教育への関心の高さを感じました!
前半は、フィンランドの教育システムについて教えていただきました。
モニカさんが子どもの頃は、日本と同じように「教える」スタイルの授業でしたが、今は先生は「子どもが学ぶのをサポートする」役割に変わっているそうです。ICTの導入も進んでいて、算数の宿題がゲーム形式だったりするそうです。子どもは楽しく取り組むことができ、先生はそれぞれの習熟度をチェックすることができ、レベルを調整しながらその子に合ったレベルの課題を出しているそうです。個別最適化が実現してるのですね。授業は基本的にプロジェクトベースで、環境問題やSDGs、起業精神などを教科横断で学んでいるのだそうです。
英語が必須なのはもちろんですが、公立のインター校に通うモニカさんの娘さんは小6ながら4か国語を話せるそうです!(通常の公立校ではフィンランド語と英語ですが、地球市民になるという目的のもと、英語でコミュニケーションが取れるようになります。羨ましいです!)言語のみでなく文化的背景なども学ぶことで、お互いの違いを受け入れるようになるようです。
また、現在は学習面だけでなく心の知能指数(Emotional Intelligence)も重要と考えられています。
自分と他者との境界線や感情の処理の仕方について知ることで、自分も他者も大事にできるようになったり、多様な人がいて、相手に合わせた対応をするとうまくいくことを学んだりしているそうです。
フィンランドの教育って、教育の目的が明確でそこに向かって何をしたらいいかという視点から作られているんですね。
日本とは大違い、、と思ってしまいがちですが、2020年度からの教育改革やGIGAスクール構想など、日本の教育も変わってきています。日本でも何年後かにはICTを使った教育が普通になり、探求型のプロジェクト学習が主流になっているのかもしれません。
後半は、モニカさんの子育てやライフスタイルについて伺いました。
フィンランドでは、親と子は別人格であると考える人が多く、子どもとの対話を大事にして、子どものモチベーションを育てるサポートをしている人が多いそうです。子どもの教育についても、先生と個別に相談して、我が子が今何を学ぶ必要があるか、どう学ぶのがよいかを話し合うそうです。
モニカさんは、親の希望を子どもに押し付けるのではなく、子どもが自身の人生を歩んでいけるよう応援する関わりが大事とおっしゃっていました。また、親以外の大人と関わり、いろいろな影響を受けて欲しいと思っているそうで、親戚、家族ぐるみの友人、趣味のグループなどとのおつきあいも大切にされているそうです。
また、モニカさん自身もバランスの取れた暮らしをすることを大事にされていて、母でもなく仕事でもない自分の時間を取ることを意識されているそうです。大事にしたいもののバランスが取れていることで、きっと身体も心も整えることができるのですね。
盛りだくさんな内容で、みなさまからのご質問にあまり答えることができずごめんなさい。
フィンランドの教育の素敵なところを、日本で、そして家庭で少しでも取り入れていけたらいいなと思いました。
参加者の方々から感想をいただきましたので、少しご紹介させていただきます。
・フィンランドからお話を伺え、自分がそこに行った気分になりました。シリーズ化していただけるとよいと思いました。
・フィンランドの教育の特徴について、具体的によく分かりました。自分の仕事について、とてもヒントになることがありました。
・ゲームを取り入れた宿題など、教育の方法のみならず、内容も興味深いです。
・日本人の学力は高くやはり公教育のおかげなんだなと実感しました。フィンランドやオランダの教育と比較して、日本はどうなんだろうと思っていましたが、土台部分でみんなが受けられる教育としては恵まれている。反面、自己肯定感が低いことや、不登校が増え続けているのは何十年も変わらない教育のためかと思う。定期的に見直され変革を繰り返していけるのはやっぱりいいですね。
・親と先生とオープンに話し合う機会があるというのがいいなあと思いました。
・親がそれぞれ自分の人生を楽しんで、子ども達にも大人って楽しそうだなって思ってほしいです。
・フィンランドの教育のあり方を聞いて、「うらやましい」という気持ちと、日本の教育も変わって欲しいという気持ちが出てきました。
・バランスの取れた人生が大切だと、強く思いました。ワークライフバランスですよね。
フィンランドからリアルなお話を聞かせて下さったモニカ・ルーッコネンさん、
モニカさんをつないで下さり通訳をして下さったとぬまゆきえさん、
そして、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました♪