探究チャンネルVOL.6、庄子寛之さんにお話を伺いました

 

 教育ジャーナリスト中曽根陽子が、さまざまな立場で教育に関わっているオピニオンリーダーにインタビューする探究チャンネル。やりたいことを見つけて、自分らしく生きていくための探究力の育て方について、これからの教育や子育てについて、ゲストをお迎えしていろいろ伺います。

 今回は、公立小学校で探究的な学びを実践する庄子寛之さんをゲストにお迎えした2021年9月18日のVOL.6のお話をリポートします。

 

2学期始まりましたが、学校の様子は?

 庄子先生は東京都の公立小学校で探究型の授業を行ったり、2020年の全国一斉休校時にはICTを使ってオンラインで授業をされたり、先生同士で情報を共有するイベントを開催したり、といろいろな取り組みに挑戦していらっしゃいます。
 庄子先生に学校の様子をお聞きすると、2学期は全てオンラインでのスタートだったそうです。2020年の休校時にはなかなか進まなかったオンラインでの授業も、この1年の間に1人1台の端末が配備されて、今回は「やって当たり前」という雰囲気が強くなっていたそうです。コロナのおかげで、GIGAスクール構想があっという間に進み、学校教育が変わるきっかけとなったのですね。
 保護者からは「できることからやって欲しい」という要望が多いにも関わらず、先生方は「ちゃんと体制を整えてから始めたい」という思いが強いとも言います。今回うまくいった要因の1つとして、8月末にオンラインにすることが決まり、教員の間で研修をする時間があったことを挙げていました。

 

多忙を極める先生のライフハックについて

 庄子先生は『教師のためのライフハック大全』という本も出していらっしゃり、定時に帰宅することを勧めていらっしゃいます。例えば、17時に帰ると決めて、それまでにやるべきことを計画し実行する。すると、コミュニケーションの質が上がると教えてくれました。17時が難しければ、今まで20時に帰っていたところを19時に帰るようにするとよいそうです。教師じゃなくても使えそうですね。皆さんも試してみてくださいね。

 

公立小学校でのICTと探究型教育の可能性

 子どもがICTを使って学ぶことで、先生は「教える」のではなく、子ども達をより観察し個別に対応することができると庄子先生は言います。探究型の学びを進めていくためにはICTの活用が必須となるようです。
 中曽根陽子の新刊『成功する子はやりたいことを見つけている』の冒頭では「これからは、教育熱心な家庭の子どもほど伸び悩む」と書いていますが、庄子先生は「教育熱心な教師のクラスの子どもほど伸び悩む」ともおっしゃっていました。やはり学校でも家庭でも「教える」から「自ら学ぶ」にシフトする時期にきているようです。


 また、学校教育におけるICT活用の例として、『いちばんやさしいGoogle for Educationの教本』という本も2021年9月に発売になっていますので、ご興味のある方はぜひお読みください。

子どもの探究力の育て方

 中曽根の新著『成功する子はやりたいことを見つけている』の感想をお伺いしたところ、「共感したことだらけだけど、「大事なことを自分で決めてきた子ほど幸せになれる」はまさにと思った」と言っていただきました。植物を育てる時、肥料やお水をあげすぎると枯れたり腐ったりしてしまいますが、何もしなくても勝手に伸びていきますよね。子育てもそれと同じで、自由に成長するのをよく観察するのが大事だということでした。

お話に出た庄子先生の本はこちらからご購入できます。
『教師のためのライフハック大全』
『いちばんやさしいGoogle for Educationの教本』

 

一番印象に残ったことは

 私が一番印象に残ったのは「失敗するほど経験が増えて成功する確率が上がる。失敗を怖がらずにチャレンジする子に育って欲しい」というメッセージでした。家庭でも小さなチャレンジを応援していきたいと改めて思いました。

 

アーカイブと次回のご案内

 インタビューはこちらからご覧いただけます。ぜひ公立小の現状と可能性を感じてくださいね。

 

 次回VOL.7は、10月8日(金)20時から、かえつ有明中・高等学校副校長の佐野和之さんをゲストにお迎えします。
お楽しみに♪

 ご視聴はこちらから。YouTubeマザクエちゃんねる